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ラーガシュの神聖娼婦 Ragash the sacred prostitute

ラーガシュは、造られた命。
ドワーフの天才少女・ザナタックによって遺伝子改造されて産まれた彼女は、両性具有のオークだ。
オークと言えば一般に醜い人型生物だが、ラーガシュは美しい(――と、皆が言ってくれる)。

ラーガシュは、ザナタック様の、ザラ様の、ルキナ様の……ご主人様たちの期待に応えるべく、日々頑張っている。
もっと美しく。もっと賢く。もっと信仰心篤く。
より大きな快楽でご奉仕できるように。より多くの戦士と奴隷をご主人様たちにお届けできるように。
ラーガシュはあちこちの世界に出向いて、修行の旅を繰り返しているのであった。

ある時は異世界のヴァイアランスの神殿に留学し、新たな教えを請い……
ある時はオーク部族を征服し、快楽神ヴァイアランスの教えを広め……
ある時は冒険者たちと戦い、敵を快楽で屈服させる技を学び……


そしてこれも、ある時のラーガシュのお話。


***


果てしなく広がる青空に、想像を絶する大きさの白い水蓮の花が浮かんでいる。

近寄れば、その花びら1枚1枚に、様々な様式の建物がびっしりと貼り付いているのが分かるだろう。

ここは「ニンフェア」。無数の次元の狭間に浮かぶ、睡蓮の形をした巨大都市だ。

その一画に、両性具有者のための歓楽街が存在していた。
酒場・娼館・連れ込み宿。奴隷市場から性的なマジックアイテムを扱う店まで、快楽のためのあらゆる施設が建ち並んでいる。
歓楽街の中心にそびえるのは、美しい大神殿。そこでは、両性具有の太母神ネイラスとその眷属が祭られている。

淫らな彫像と巨大な柱が立ち並ぶ回廊を、半裸のふたなり神官達が行き交っている。彼女らは、両性具有者に快楽という祝福を与える、巫女にして売春婦――ネイラスの神聖娼婦たちである。

太母ネイラスは、あらゆる両性具有者を祝福すると同時に、両性具有者が同性以外と性行為をすることを禁じている。
これを「ネイラスの戒」と言う。
一部の宗派ではそれを押し進め、両性具有の神官があらゆる両性具有者と交わることを奨励している。
神官は訪問者に肉体を与え、訪問者は神官が与えてくれた快楽に感謝して”寄進”を行う。そうした行為が、やがて神聖娼婦として定着したのであった。


さて。

ラーガシュは今、このニンフェアのネイラス神殿で、神聖娼婦として働いている。
ザナタック様が言うには、太母ネイラスとは究極の快楽神ヴァイアランス様の一顕現であるらしい。
ヴァイアランス信徒とネイラス信徒は、母娘か姉妹のようなもの。
それを裏付けるように、ネイラスの神官達はラーガシュの種族に偏見を持たず、歓迎してくれた。
ラーガシュのようなブラックオークの神聖娼婦はこの神殿でも初めての存在らしく、来訪者は一様に驚いてみせる。
そんな反応にもすぐ慣れたラーガシュは、自分を選んでくれたお客に精一杯奉仕して、快楽の技を磨いていた。

そして、今日ラーガシュを選んだ相手は……


***


ミリエルの頭は、沸騰しそうだった。

ネイラス神殿の回廊に点在する鏡に、自分の姿が映っている。
ミリエルの職業は、パラディン――すなわち聖騎士。
しかし今の自分は、甲冑もマントも身につけていない。
全裸。
短めに整えた亜麻色の髪。自分では気に入っていない童顔。
日々の鍛錬で引き締まった筋肉は、気に入っている。
大きくたぷたぷと揺れている胸は……まあ、悪くない。
けれど股間では、自分でも信じられないほど、ペニスが硬く勃起している。

劣情を催しているのだ。今、自分が手を握っているオーク相手に。

ラーガシュと名乗った両性具有のブラックオークは、ミリエルの視線に気付いてか、わずかに微笑んだ。


善を為し悪を正す聖騎士だけれど、性行為自体は善くも悪くもない。
両性具有として産まれた聖騎士であれば、太母ネイラスの神殿で性欲を解消してもらうのは、普通のコト。むしろ溜め込んだ性欲で道を違わないため、必要なコトだという雰囲気すらある。
けれど奥手なミリエルは、お金を払って初対面のフタナリと交わるという行為に、どうしても抵抗があって……
神聖娼婦のお世話になるのは、今日が初めてだった。
前回の冒険で大量に戦利品を手に入れたこともあって、仲間全員で神殿を訪れることになったのだ。
「ミリエルだけワガママを言って、パーティーの規律を乱すのか」なんて言われると、聖騎士としてはどうにも弱い。

そんなミリエルが、初めてセックスする相手に選んだのが……
よりにもよって……

オーク。

汚く邪悪な亜人間ども。戦争と破壊が何より大好き。ネイラスの戒を恐れて、実際に強姦を試みることは決してないけれど、欲情した目でミリエルを見ることがあって……そんな時ミリエルは、必要以上の怒りでヤツらを斬り殺してしまう。そして、少し反省する。
なのに、どうして自分は、そんな種族の娘を相手に……

「着きましたよ!」
「えっ……」
ラーガシュの愛らしい声を聞いて、ミリエルは顔を上げた。


回廊を出て二人が着いたのは、性行為のための個室だった。
部屋は円形で、思ったより広い。
天上はドーム状で、ニンフェアを包む青空の光が、ガラス越しに部屋を満たしている。
部屋の中心には温水プール。
入り口の反対側には、カーテンで区切られた大きな寝台がある。

ここで、今から私は……

部屋に入ったラーガシュは、ミリエルの前でひざまずいている。
ひざまずいた状態でも、背はミリエルと大して変わらない。立っていれば、2メートルを越える巨体だ。ブラックオークはオークの中でも最大種だから、それ自体は不思議ではない。
巨体を覆っているのは、凄まじいほどの筋肉。盛り上がり、深く切れ込み、絡み合い……ミリエルの仲間の戦士でも羨みそうな、肉の芸術を構成している。
天井からの光を浴びて、ラーガシュの全身は輝いていた。
暗緑色の肌は、光が当たる角度によって漆黒となり暗褐色となり、筋肉の隆起に添って輝きを変えている。
肌は滑らかで、目を凝らしても毛穴の1つも見分けられない。
まるで、黒いエメラルドから彫りだしたような肉体――

そう、神殿の広間でこの体を見ただけで、ミリエルはたまらなく発情してしまったのだ。
抱いてみたい。冒険の間溜まりきった精液を流し込みたい。どんな種族でも構わない。
例え、生来邪悪と言われる亜人間であっても……

ラーガシュを指名した時の情景を思い出しただけで、ミリエルのペニスにさらなる血液が流れ込んだ。

「ミリエル様は、ネイラスの祝福をいただくのは、初めてでしたよね」
ピクピクと揺れたミリエルのペニスに目をやりつつ、ラーガシュが口を開いた。
「う…うん。と、言うより……その……」
「はい?」
「ふ、ふ、フタナリさんを……抱くこと自体が……初めてで……」
「ああ!」
ラーガシュがポンと手を打った。

「知ってます! 童貞さんって言うんですよね。私も、童貞さんにご奉仕させていただくのは初めてです♪」
「は、はあ……」
無邪気に笑うラーガシュを見て、ミリエルは少し羞恥心が和らぐのを感じた。
「それでは……」
ラーガシュはひざまずいたまま、ミリエルの腰に腕を回す。
「どんなご奉仕から参りましょうか? お口でも、指でも、胸でも……ミリエル様のお望みのままにお申し付け下さい」
ミリエルを見上げる、小さな顔。潤んだ切れ長の目。通った鼻筋。
瞳の紅さや尖った牙が、人間でないことを伝えているけれど――
ミリエルのあらゆる欲望を受け止めてくれる慈愛が、その表情から伝わってくる。

だから……

ミリエルは思っていることをそのまま口にし始めた。
「し……したいっ……」
「はい?」
「い、いきなりだけどっ、ホントのセックスしたいのっ……! 今、凄く溜まってる精子を……さ、最初に、ラーガシュさんの中に出しちゃいたい! ほ、他のことは、その後でっ……」
顔が真っ赤になっていくのが、自分でも分かる。

「はい、分かりました!」
ぎゅううっ、と全身が抱きしめられた。
ラーガシュの分厚い筋肉……柔らかく弾力に富んだ肉の厚みと、すべらかな黒い肌の感触が、ミリエルを包み込む。
「私の膣内に、お好きなだけ精液を流し込んで下さい。一番濃縮された子種を子宮で味わわせていただけるなんて、とっても嬉しいです♪」
抱擁だけで射精しそうになるのを堪えながら、ミリエルはなんとかうなずいて見せた。


***


「す……凄い、よおっ……」

ミリエルの目の前には、ラーガシュの豊かな双臀がそびえている。
美しい球形の尻肉をぴったりと合わせた、黒曜石のような小山。

軽く温水で体を清めた二人は、プールの脇ですぐに交わることにした。
寝台まで歩くことすらガマンできかったミリエルが、ねだったためだ。
促されるまま、滑らかに磨かれた石の床に寝そべり……ラーガシュがそれをまたぐ形で、ミリエルの上に居る。
柔軟な体をしたラーガシュは、尻をミリエルに向けたまま、上半身を大きくひねって、視線をこちらに向けていた。

「お気に入りいただけましたか? ふたなりのオークのお尻は、大抵大きいんですけれど……私は特大サイズに改造していただいてるんです。乱暴に爪を立てていただいても平気ですから、ケモノのように無茶苦茶に犯して下さいね」
「そんなことしないよっ……た、ただ、揉んで……みたりとか……」
ミリエルは手を伸ばすと、ぎゅっとラーガシュの尻を掴んだ。

「うあ……あ……」
弾力に満ちた尻肉に、十本の指が沈み込んでいく。
ラーガシュの巨体の中でも一際大きな尻は、ミリエルの指をほとんど呑み込んでしまった。
力を込めて肉を揉んでも、どこまでも沈んでは押し返してくる。ボリュームが有りすぎて、尻全体の球形はほとんど崩れていない。
「凄いっ……コレ、本当にお尻なの? 少し固めで、大きすぎるおっぱいみたいっ……!」
「はい。お尻の谷間にペニスを挟んで、射精して下さるお客様もいっぱい居ますよ♪ でも今は、お尻の間……オークの子作り穴に、ミリエル様の清らかなペニスを下さいませ」
ラーガシュはわずかに尻の角度を変えると、谷間の最奥にある恥丘をミリエルに突きだした。

淫らだが心地よい雌の香りが、ミリエルの鼻腔に入ってくる。
ラーガシュの女性器はかなり大きめで――それでも、尻全体に較べると小さく見えるが――ほんのりと桃褐色を帯びていた。
淫唇の割れ目はピッタリと閉じているが、透明な粘液を垂れ流して、ミリエルの挿入を待っている。

――ついに、初めてセックスするんだ……
――しかも、人間じゃなくて、オークと交わるなんて。
――凄く……悪いことをしてるみたい……

ラーガシュが邪悪なオークでないことは、分かっている。
種族に偏見を持ってはいけないことも、分かっている。
けれど、どうしても……邪悪な種族と子作りをするのだ、と錯覚してしまう。聖騎士には絶対許されない行為を、擬似的にしている、という背徳感。それがゾクゾクと、ミリエルの背骨を登ってくる。

「いけないパラディン様ですね、ミリエル様は……」
「!」
まるでミリエルの心を呼んでいるかのように、ラーガシュが喋り始めた。
「精液がどうしようもなく溜まってしまって、もうどんな相手でも構わないから、交尾したいんですね……?」
ラーガシュは媚笑を浮かべながら腰を前後させ、濡れた性器とミリエルのペニスを擦り合わせている。
興奮を高めるため演技しているのだと、うぶなミリエルにもすぐ分かった。

「捕らえたオークのおまんこに発情して、無理矢理犯すなんて……。邪悪で醜い怪物相手でも、平気で交尾しちゃうんですね?」
「う……うんっ。そうだよ。ラーガシュを……犯すのっ……!」
ミリエルもたどたどしく答えを返す。

「清純で高貴な、天使みたいな精子を、汚れた子宮の中にぶちまけるんですね……」
すりすり、にちゃにちゃ、亀頭が淫裂と擦れ合い、徐々にめり込んでいく。
「大変……ハーフオークが出来ちゃいますよお? パラディン様が、邪悪なオークを喜んで孕ませるなんて、いけないんですよねえ?」

熱い感触が、ミリエルの先端を包み始める。

「うん、うんっ! い、いけないっ! わ、私っ、悪いパラディンになっちゃうよお! パラディン堕ちしちゃうっ! でも、でもラーガシュと子作りしちゃうのっ! オークのこと好きになって、ブタみたいに交尾しまくって、いっぱい子供産ませちゃ、うっ、うあっ…」

ミリエルの先端が、狭い肉の輪を貫く。

ずるり。

「あっ、うああああああああああっ!!?」



「熱っ、あっ、熱ひあっ、な、何コレえええええっ!?」
ペニスが押しつぶされるかと思うほどの圧迫感に包まれたまま、ミリエルの敏感な亀頭は、一気にラーガシュの最奥へと飲み込まれた。
「はあっ、来ましたっ! ミリエル様っ、ラーガシュの中に全部入りましたあ♪」
「ひいっ……いっ、いいっ! こ、これがセックスなのっ!? コレがフタナリのお腹の中!? みんなこうなのっ!? そ、それともオークがっ……ラーガシュだからこうなのっ!?」
ぞわぞわと蠢く襞。コリコリと亀頭を刺激する小さな突起群。童貞には強烈すぎる刺激を、鍛え抜かれた精神力で耐えつつ、ミリエルは絶叫していた。

「んっ…ぁ、ど、どうでしょう。自分では、自分の内部は分からないもので……」
「わ、分からないなんて困るよお!! に、人間とオークが全然違うんだったら、私、私っ、オークとしかセックスできなくなっちゃう! こんなに凄いの忘れられないよっ! で、でもそんなのヤだああっ!」
圧倒的な快楽と恐怖感がない交ぜになって、ミリエルは涙を溢れさせた。

「ミリエル様、まだ”入れただけ”。セックスっていうのは、激しく腰をぶつけあってこそ……ですよぉ」
「ひっ……ひいっ!」
ラーガシュが艶やかな笑みを浮かべる。
娼妓としての演技なのか、本気なのか、もはや分からない。
「ダメっ、ダメえ! こんな中で動いたら、ホントにおかしくなっちゃう! 病みつきになっちゃう! だから、動けない! 絶対無理!」

「はい」

ラーガシュの素直な返事に、ミリエルはやっと息を付く。


「じゃあ、私が動きますね♪」

「ち、違っ、ぃぎっ、おごおおおおおおおっ!!!!?」



柔肉の感触を知ったばかりの敏感なシャフトを、強靱な膣圧がしごき始めた。
ラーガシュが腰を一振りするたびに、奔放な尻球がブルンブルンと上下に揺れる。
ミリエルは弓なりに反ったまま、脳天まで響く快感に悶絶した。

「お尻っ、お尻があっ! ラーガシュのお尻がああっ!! ダメだよおっ、うああっ、ちんちん死んじゃううううっ!!!」
絶叫するミリエルは、快楽のリズムがますます早まっていくのに気付き、さらに声を張り上げた。
「ウソっ! ウソぉっ、勝手に腰がっ! 腰が動いてるうううっ! 何で、何でああっ!! ダメっ、腰がカクカクするうっ!」
生物としての本能か、ミリエルの下半身は勝手に交尾の動きをしていた。
「ち、違うのおっ! 人間が交尾する相手はオークじゃないのっ! ダメっ、止まって! じゃないと私っ、私いっ!」
「はぁっ、はァ、ミリエル様は、オークと子作りするように産まれてらっしゃるのかも知れませんよっ! だってこんなにっ…嬉しそうに突き上げてっ! くううううっ、激しく動いてっ!!」

自らの巨大なペニスをしごきながら、ラーガシュが動きを速めていく。
ミリエルのペニスが後退すると、粘りある膣肉が膣口からはみ出してまでペニスに絡みつく。再びペニスが突き込まれると、肉襞も膣内に押し込まれ、複雑に折り畳まれて肉幹を刺激する。暗緑色と桃色の裂け目にペニスが出入りする様は、まるで食虫植物に弄ばれているかのようだ。

「ひっ…ダメぇ……凄く……気持ちいいケド、こ、こんなのっ……ダメかも知れないのおっ」
呼吸困難寸前で喘ぐミリエルは、自らの腰の奥で沸き上がる疼きに気付いた。
「あ! く、来るっ!?」
「射精して下さるんですね、ミリエル様……」
「ち、違っ……ううん、そう! だ、だから待って! 止まって!」
射精を抑えようと、必死に呻くミリエル。しかしラーガシュは尻の上下を止めない。自らの腰も止まってくれない。

「今から子宮がお迎えに参ります……一滴残らず子宮内に射精して、たくさんハーフオークを受精させて下さいね」

「ひっ……ひああああっ!!」

鼻の頭に似たコリコリとした感触が、ミリエルの亀頭に当たった。
なぜか、自分の腰の動きが止まる。
そして弾力ある肉の感触が、徐々にミリエルの先端を包んでいく。まるで、再び何かに挿入しているかのように。
「し、子宮口に入ってますよぉ♪」
「ぉ、おおぉっ……」
ラーガシュの子宮口を、張り詰めた亀頭がくぐり抜けていく。子宮頚管の内部にも快感のための凹凸がびっしりと並んでいて、ミリエルの性感をさらに高めていく。
亀頭が完全に子宮にくわえ込まれた状態で、二度目の挿入が完了した。
ミリエルの中で、おぞましいほどの生殖欲が膨れ上がっていく。理性がとろけて、種付け以外の思考が意識から流れ落ちていく。

「子宮挿入……はあっ、完了です! えっと、これは私の特別な力です。ふ、普通の人間やオークは出来ませんよぉ」
「も、もぉ……そ、そんなの、どっちでもイイっ……」
「……?」

「も、もう、人間とかオークとかも、どうでもいい。わ、私、ラーガシュの中、大好き。だ、だから、射精するからっ!」
ミリエルの中で、種族を隔てる本能の壁が完全に崩れていた。

「ら、ラーガシュのおっきな体も、胸も、お尻も大好き。顔も美人で大好き。あ、あったかい子宮の中も大好き」
「……はい♪」

「ドロドロの精子いっぱい出すから、受精して! ハーフオーク産んでっ! わ、私パラディンだから養育費はちゃんと出すから冒険でいっぱい稼ぐから! だからいっぱい出させて産んでっ、何度も毎日交尾ひて赤ちゃんっ、赤ひゃゃんんっ!!!」

ラーガシュの巨大な尻を両手で抱えたまま、ミリエルの腰が小刻みに震え始めた。
上がってくる。濃厚な子種汁が輸精管を駆け上がっていく。

そして、噴出が始まった。

「おおおおっ、おおおおおおおっ!!!」

一撃ちごとに獣のように吠えながら、ミリエルは痙攣した。
聖騎士としての矜持も、高位冒険者としての警戒心もなく、涎をまき散らして快感に溺れる。
「くはあああっ、熱ううっ!! わ、私もっ……出るっ! 射精しちゃうううっ!」
一拍遅れて、ラーガシュの胎内も脈動した。 
美貌に浮かべた娼婦の笑みを崩さないまま、盛大な射精が始まる。
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緑色を帯びた半ゼリー状の精液が天井高く噴き上がり、温かいプールの水面に落下していく。

朧げな視界でそれを見ながら、ミリエルは射精の快楽に狂った。
ペニスが収縮するたびに、失禁したのではないか思うほどの精液が、ラーガシュの中で炸裂する。快楽を溜め込みすぎたせいか、濃厚でありながら汁気たっぷりの粘液が、いつまでも胎内から引き出される。

このまま死んでしまうのではないか、と思った。
実際、かつて死の呪文で殺された時と同様に、頭の中で心臓が脈打つ音が聞こえていた。
最期の一滴を搾り出すと同時に、この鼓動も止まるのではないか……と思う。

こんなに気持ちいいのなら、それでも構わない……
でも、みんなに生き返らせてもらう時、「腹上死」した姿を見られるのは恥ずかしいな……
ああ、だけど、ラーガシュを妊娠させられるなら……
気持ちいい……
いい……
………


***


目覚めた時には、ラーガシュの逞しい腕の中、寝台に横たわっていた。

生き返ったのか……と一瞬考えるが、体の動き方を思うと、どうやら蘇生直後ではないらしい。

――気絶していただけか。

「おはようございます、ミリエル様」
いつもながらの愛らしい声で、ラーガシュが囁いた。
「1時間ほど気を失ってらっしゃいました」
「そ、そお」
言うべき言葉が見つからなくて、ミリエルはもじもじと緑色の爆乳に顔を埋めた。

「あ、あのっ……赤ちゃんのことだけど……」
「ああ!」
ラーガシュが、また頓狂な声を上げる。

「申し訳ございません。行為を盛り上げたくて、ついつい「ハーフオークを〜」なんて申し上げましたが……」

「私まだ初潮が無いもので、妊娠はできないのです」
「はあ!?」
「実は私、ご主人様たちに造っていただいた、産まれたばかりの特殊なオークでして。演技とはいえ偽りの受精希望、まことに失礼いたしました」
「そ、そうなんだ」
安心したような、どこか残念なような……
「あ、でも見てのとおり精通はしておりますから、妊娠させるコトはできますよ」
「!」

二人の間に挟まれていた、ラーガシュのペニスがヒクヒクと動いた。
ミリエルの腕ほどもある、巨大なペニスだ。亀頭は黒檀を磨き抜いたような暗色で、雁の回りにはいやらしいイボが並んでいる。
尿道にはぷっくりと、珠のような先走りが浮かんでいた。
「こ、こんなのっ……入らないよ」
「私、この神殿で神聖魔法も勉強しております。初歩的な拡張の呪文で、ミリエル様の胎内にもぜーんぶ入るように出来ますよ♪」
「うっ……」

再び、ミリエルの全身を興奮した血流が巡り始める。
あんなモノを根本まで突っ込まれたら、どうなってしまうのだろう。
逞しい全身の筋肉を使って、ラーガシュは怪物のように荒々しく自分を犯すのだろうか。
そして緑がかったイヤらしい精液で、自分の胎内はベトベトに汚されてしまうのだろうか……

「冒険続けたいから、妊娠はできないけど……。でも、その拡張呪文と、あと避妊の呪文使って……そのっ……私を…」
「分かりました!」
ラーガシュは朗らかに答えると、片手で呪印を結び、太母ネイラスを讃える呪文を紡ぎ始めた。


――ホントにオークとしかセックスできない体になっちゃったら、どうしよう……


そんな不安を抱きつつも、ラーガシュの熱いペニスに指を這わせ、期待の溜息をもらすミリエルであった。


***

翌朝。
聖騎士ミリエルは、何度も何度も再会を誓った後、仲間達と共に帰っていった。

一晩だけのコトとはいえ、神殿のお客と過ごす時間、そこで交わされる感情、そして学べる知識が、ラーガシュは大好きだ。
ミリエルにとって男女双方の初めての相手となった――というのも、少しだけ嬉しい。

遠からず、このネイラス神殿での留学も終わる。
迷宮のヴァイアランス神殿に帰ったら、学んだ沢山のコトを、ザナタック様やギルメイレン姉様に話そう……

愛しい人々の顔を思い浮かべつつ、新しい出会いに期待して、ラーガシュは今日も神殿の来訪者を出迎える。


(おしまい)
関連リンク
・ラーガシュが属しているシリーズ 『魔神殿ヴァイアランス』の紹介
・ラーガシュの設定については 魔神殿ヴァイアランス・人造キャラ紹介