「ただいま〜」
「おかえりなさい」
最愛の息子を笑顔で迎える碇ユイ、27歳。
エヴァだった11年は計算に入らないのがヲ約束。
「..........か、母さん.....その格好.....」
素肌に纏ったクリーム色のタンクトップ。
際どく短い、スカイブルーのタイトミニ。
薄手の生地が、美しいラインを写す。
「ふふ...。 どう? 私もまだまだ捨てたものじゃないでしょ?」
張りといい。
滑らかさといい。
惜し気もなく晒された素肌は、20台前半、いや、ハイティーンでも通用する。
「そりゃ...確かによく似合ってるけど...目のやり場に困るよぉ」
「あら。 見慣れておいて損はないと思うんだけど」
ちょっと悪戯っぽく微笑みながら。
「そうだぞ、シンジ」
「わぁっ! 父さん、いつのまに?!」
突然背後からかけられた声に飛びすさるシンジを、ユイが優しく抱きとめる。
「あらあなた、お帰りなさい。 早かったわね」
「あぁ。 一区切りついたところで抜けて来た。 明日からまた大変だが...。
それはそうとシンジ、この際だからきっちり見て慣れておけ。 レイも成熟すれば
こうなるんだからな。 いざという時鼻血を吹いて倒れていては様にならんぞ」
「あら、懐かしいわね」
「ゲフッ、ゴホッ!」
しれっと言い放つユイの声に、ゲンドウは思わずむせ返る。
「..........父さん.....そうだったの.....?」
「さぁな.....」
この11年ですっかり得意技と化したゲドウ・フラッシュを放つ。
要は.....あの笑いだ。
生で見る破壊力は、想像を絶する。
「ヒッ!」
たまらず、母の胸にしがみつくシンジ。
羨ましげな紅い瞳。
と。
すこ〜ん!
間の抜けた音が響く。
「あなた! あまりシンジを恐がらせるのはやめて下さい」
へこんでしまったお玉を脇に置き。
シンジをしっかり抱きしめて。
安心させるように愛撫する。
「痛いぞ.....。 そのオタマ、どこから出した?」
「そんなのは主婦の秘密です!」
落ち着いたシンジが離れようとしても、抱きしめた手は放さない。
ポツリと、白い少女が呟く。
「抱きしめる役.....私がやりたい..........」
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