「な、センセ、おる思うか?」
「う〜ん、どうかなぁ...。 大方惣流にでも引きずられてどこか連れ回されてるん
じゃないかと思うんだけどなぁ」
「やっぱケンスケもそう思うか」
「基本だろ? 綾波も休んでるしさ」
「センセとしては見舞に行きたいところやろけどな...」
「そりゃ無理だろ。 惣流がこの千載一遇のチャンスを逃すわけないよ」
「せやな...。 それにしてもシンジ、ようもまぁ都合よく忘れ物してってくれた
もんやなぁ」
「だな。 おかげでシンジが居ても居なくても行く口実ができた♪」
「そやそや! ごっつ綺麗やからなぁ、シンジのおかん」
「若いんだよなぁ。 親父さんとは10歳しか違わない筈なのに。 とても子供が居る
とは思えないあのプロポーション♪」
「前に喰わせてもろた飯、ごっつ旨かったなぁ.....っと、着いたで」
「お、あぁ。 じゃ、せ〜の!」
ピンポ〜〜〜ン!
「はーい!」
溌剌とした声。
「「忘れ物のプリントを届けに来ましたっ!」」
見事にユニゾン。
キラキラお目々が何だか無気味(笑)。
「あら、ありがとう。 でもごめんなさい。 シンジならついさっきアスカちゃんに
連れ出された所なの」
ちょっと困ったような表情。
その言葉に、やっぱり、と視線を交わす二人。
「上がって。 お茶でもどうぞ」
「お、おおきに、頂きますっ!」
もちろん二人に否やはない。
そして。
少し落ち着いたところで。
「.....ちょっとお願いがあるの」
取り出したのは、ビデオカメラらしきもの。
これはまさしく、ケンスケの領分。
「試作品のモニタ? おれ撮りますよ」
「助かるわ。 それとこれをつけてね」
怪しげなヘアバンドのようなものを取り出す。
「.....?」
「あなたはこれ」
トウジには、目隠し。
「.....??」
「それじゃ、膝をついたままで声のする方にゆっくり進んでね」
お遊戯?
と思いながらも逆らえないトウジと、それを撮るケンスケ。
−−− スゲー! 思い通りにズームとフォーカスができるわけかっ!
ケンスケの表情が、驚嘆に埋め尽くされる。
−−− あ、変な所ばっかり見てるとまずいな.....
といいつつ...
−−− .....でも見ちゃうよなぁ.....
本゛能には逆らえないケンスケ。
−−− えっ?!
ケンスケの視界に、鮮烈な白が飛び込む。
そして.....
慌ててズームアウトすると.....
見えない先を探るように手を伸ばしたトウジに。
ユイが、そっと手を差し伸べていた。
さらに進むトウジが、クッションにつまづいて.....
延ばされた手が、ユイの双丘を掴み.....
そのまま倒れこんだ拍子に、ブラウスのボタンが弾け飛んで.....
露になった谷間に、顔から突っ込んだ。
「.....あ! あぁっ!!! あぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」
「.....はっ?!」
がば、と跳ね起きる。
「.....夢、かぁ.....。 やっぱり、夢、だよなぁ.....」
ユイが年下は子供としか見ない事は、これでもか、とばかりに知っていた筈なのに。
それでも。
若い煩悩を抑えこむには。
ユイは、あまりにも若々しく。
あまりにも、美しすぎた。
「.....ん?」
某所(笑)に、ふと感じた違和感。
「....................サイテー..........(T^T)」
相田ケンスケ。
男の子、であった。
合掌。
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