インターネットにもの申す!


その1 データ形式について




My Opinionへ戻る
トップページへ戻る




テレホーダイタイム初盤の混み方を見ていると、インターネットも、そろそろ本格的普及期に来ているように感じます。 そんな中で、どうしても気になる事がひとつ。

それは。

データの互換性


です。


Windows上でNetscape Communicator 4.xを使っている方や、InternetExplorer3.x/4.xを使っている方は、 「何それ? どんなページでも見れてるし、すぐ見れなくてもプラグイン落とせば済むじゃん」 と思われるかもしれません。 それは、一面、真実でもあります。

でも。 世界は広いのです。 世の中全てWindowsユーザではありません。 私のようなOS/2使いもいれば、Unixウィザードだっています。 Beな人もいれば、TRONな人、はてはPDAでアクセスしている人だっているんです。 特定ブラウザのプラグインが、ありとあらゆる環境に存在する訳ではありません。 それに、同じNetscape Navigatorでも、OSが異なるとプラグインの互換性が無くなります。 WindowsNT用のプラグインは、OS/2やMac、Windows3.1等には組み込めないんです。

ここに、互換性の問題が生じます。

自分は誰にでも見て欲しくて情報発信をしているのに、見られない人がいる。 そんな状況に、満足できますか?

私は、満足どころか、納得さえできません。

インターネットは、相互扶助で機能しているネットワークです。 各利用者はそれぞれISPや会社,学校などでアカウントを取得するだけ。 そこで料金を払っていても、それは『自分が直接接続している』ネットワークに対してだけです。 インターネット全体に対して支払われる料金は、存在しません。 要するに、自分の所属するネットワークが他のネットワークと相互接続していて、 それが延々と連なって目的のサーバまでアクセスできるようになっている訳です。

まぁ、そう言った形でネットワークが相互接続しているという事は、 末端の一つに支払った料金がさらにその上位ネットワークや、 NSPIXP等の相互接続ポイント経由でのネットワーク同士の接続料金という形で インターネット全体に貢献しているという考え方もできる訳ですが...。

いずれにせよ、ここに、インターネットの「公共性」があります。 それも、「国際的」な公共性です。

とはいえ、利用者の語学力は千差万別。 例えば、元はアメリカ合衆国が起源のインターネットだから英語を使え、といわれても、さすがに困ってしまう人が多いでしょう。 私だって、困ってしまいます。 言語は、文化そのものですから。


ということで、ページオーナーの皆さんに提案したい事があります。

インターネット上で「一般に」公開する情報には、「公的規格」に定められていないデータ形式を利用しない。 このデータ形式には、文字コードも含めるのが妥当でしょう。 但し。 「公的規格」といっても、ローカルな文化に対しては有用とは言い切れないISO規格だけではなく、 JISやANSI,CSAやDINといった「国家規格」までは含めるべきだと思います。 「非営利の」任意団体の規格も、考慮するといいでしょう。 でも、営利団体の勝手は却下。

そうすると、例えば日本語の場合、俗に言う7bitJIS,Shift-JIS,EUCといったあたりが「正統」になります。 HTMLも、W3Cが定めているHTML2.0,3.2,4.0といったあたりは正統ですが、NetscapeやMicrosoftのような企業の独自拡張は却下。 プラグインも、MPEG等、ブラウザ自体が表示能力を持っていないが公的規格には定められているデータ形式をサポートするためのものは正統。 FlashとかPDFとか、一企業が勝手に決めたものは却下。

確かに、こんな事を言っていると、ページの表現力は落ちます。 Flash2等を利用するとかっこいいページが作れる事は、私も実例を見て知っています。 でも、それで読めない人も出るんです。 読めない人にとっては、その部分の評価は「0」か「マイナス」になってしまいます。 そんなのは、哀しくありませんか?


ここからは、このままでは読まれる事はないかもしれませんが、W3Cへの提案です。

工数の限界、様々な利害関係など問題は多々あるでしょうけど、提案されたデータ形式は、 可能なら2週間くらい、最悪でも2ヶ月くらいで採用・不採用・修正して採用の結論を出して欲しい。 例えば企業や営利団体がデータ形式を提案しても、 審査を待っている間に競合相手が類似品を商品化できてしまうようでは誰も申請してくれません。 先行するメリットが充分得られるくらい短い期間で、きちんと『べき論』で審査できる実務能力が無いと、 現在のさまざまな(勝手な)データ形式や独自拡張がまかり通る状況は改善できません。 むしろ、本当にいいものを作れば、短期間に公的な御墨付きが手に入るメリットを提供する事で、 互換性問題をクリアにして欲しいものです。 実際、HTML3.0〜3.2でブラウザメーカーの先行を許し、 収集がつかなくなった反省からHTML4.0の標準化を急いだという経緯があるはずです。


ここからは、ブラウザメーカーやプラグイン開発者への提案です。

上に書いたような体制が整わないと無理があるとは思いますが、 こいつは凄い!という製品ができたら、そのデータ形式はライセンスフリーで公開して下さい。 ベストは、公的規格の草案として提案する事です。

データ形式はフリーにしても、それを扱うプログラムコードの質や操作性といった部分で、 いくらでも競争する余地はあります。 価格も然り。

実際、例えば、Adobe,IBM,Netscape,Sun Microsystemsの4社共同で、 PGMLというベクターデータ形式がW3Cに提案されています。 データ形式に関しては、こういうアプローチをとってもらえると、非常に嬉しい。 あくまで、製品の出荷『前』にデータ形式『だけ』は公開するのが基本ですよ。

もっとも、インターネットで公開する訳ではない、 イントラネット(社内/団体内使用限定)専用のデータ形式まで目くじら立てるつもりは毛頭ありません。 そういうものは、中間経路としてインターネットを使う場合にネットワーク障害さえ起こさなければ、 なんでもアリだと思っています。

そうそう、忘れてはいけませんね。 公的規格で定義されているデータ形式は、想定される実行環境で物理的に無理と思われるものは別として、 できるだけ表示できるようにして下さいね。
公的規格を満たしてないと、『見られないのはそっちが悪い』と言われてしまいますので...(^^;。


My Opinionへ戻る
トップページへ戻る

ご意見・ご批判はJunchoonまで...