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2004バレンタインスペシャルキリカのバレンタイン
2004 Valentine's day SP
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 柔らかな夕日が、学園全体を包んでいる。
 ベティの視線の先には、学園都市・御空崎市のビル街が、美しいオレンジ色ににじんでいた。
 冬の空気は澄んでいて、逆光に照るビルの窓も、くっきりと見えている。

 ふう、と溜息を一つ。

 チアリーディングの練習を終え、チームメイトとバレンタインプレゼントの交換をしたベティは、カフェに行くのを辞退して、一人校庭に立っていた。
 一度、応援団の練習を覗いてみたけれど……キリカは、居なかった。

 やっぱり、キリカに西洋の習慣を期待するのは、無理だったかな。

 ベティはお下げの頭を振ると、校門に向かって歩き出した。


 そこに、居た。


 いつの間にか立っていたのは――
 学園の冬のコートに身を包んだ、朝影キリカだった。

「キリカ!」

 ベティはキリカに駆け寄ると、思いっきり抱きつきたい衝動を抑えて、そっとその手を取った。
 お互い手袋をしていても、相手の指のしなやかさが分かる。

「捜していた。その、色々あって――用事が、その」
 キリカにしては珍しく、語尾をもごもごと呑み込んでいる。
 その顔が真っ赤なのは、夕日のせいだけではない。
「用事、と言うのはだな」
 キリカはあちこちに視線を飛ばしながら、口をぷるぷると震わせた。

「ばっ、ばれっ、ばれっ」
「St. Valentine's Day?」
「そ、それだ」

 ベティの胸の中で、期待が高まっていった。

「ちょこれいとぉを……渡すものだ、と聞いた。だが、その、燃えてしまって。人からもらった物は沢山あるのだが、それは贈り物にできぬし……」
 キリカはカバンの中から、小さな包みを取り出した。

「野沢菜……しか、ないんだ……」

 これ以上ないほど顔を真っ赤にしたキリカは、それだけ言うと、ぐすっ、と鼻をすすりあげた。



「Thank you、キリカ♪」
 ベティは包みを受け取ると、にっこりと微笑みを返した。
「…………?」
 キリカは不意をつかれたように、涙を浮かべた目を丸くしている。

「い、いいのか? ちょ、ちょこれいとではないぞ。固くないし、甘くないし、み、緑色だぞ!?」
「Yes♪」
「しょっぱいし、ご飯に合うし、お茶漬けにも、あの、その」
「女の人がチョコレートをあげるの、日本の習慣デス。ステイツだと、仲の良い人や家族同士、みんなで何でも、プレゼント交換するデース!」

 ベティは、大きな胸にぎゅっとプレゼントを抱きしめた。
「ノザワーナ! おつけものデスね。日本のおつけもの、大好ーき!」

「そ、そ、そう……か。の、野沢菜でも、良かったのか! そうか、そうか!」
 キリカはぴょんぴょんと飛び跳ねると、突然、ベティを抱きしめてきた。

「ひゃうっ!」
 キリカの逞しい腕と、どこまでも柔らかい乳房に包まれて、ベティは一瞬息を止める。
 体の芯を貫くような、高揚感。
 でも。
 嬉しいけれど……

「き、キリカ……みんなに……見られチャう……」
 校庭の人影はまばらだけれど、まだまだ、生徒達が居る。
 キリカとベティの関係は、皆にはヒミツなのだ。

「大丈夫だ。朝影忍法、茜隠れ――夕陽にまぎれて、数瞬なれど、我らは見えぬ」
「――!」

 周りを生徒達が歩いていく。でも誰も、学園の有名人2人を、見てはいない。

「……だろう?」
「……Yes」

 微笑んだキリカの唇が、ベティの唇に重なった。


***


 湯気に混じるのは、甘いイチゴとバニラの香り。

 ここは、御空崎市の綾藤(あやのふじ)という地区にある、キリカの家。
 昔から綾藤家と縁のある朝影衆が、この地に持っていた屋敷だ。
 今は、音神学院に通うキリカが一人(とソバ丸)で、住んでいる。

 そして今キリカが居るのは、家の浴室。
 なみなみと湯が張られているのは、檜の浴槽。
 ソバ丸が毎日掃除を欠かさない、この屋敷自慢のお風呂だ。

 ベティがくれたプレゼントは、イチゴを中に封じ込め、香りのエッセンスを加えた、愛らしい石鹸だった。
 案外、簡単な贈り物だな……と、感じなかったと言えばウソになる。
 けれど、ベティはそれを手渡しつつ、囁いたのだ。

「今夜一緒に使いましょう」と。


 だから、この、香る石鹸の泡は、キリカとベティの豊かな胸の間で、泡立っている。
 キリカの腕に抱かれたベティは、滑らかな肌で泡をこすりつけながら、愛らしい喘ぎ声を漏らしている。



 真っ白なベティの爆乳に指を食い込ませながら、その口を吸った。
「Um...ふぁ、はああっ……」
 ベティは目を閉じつつ、懸命に舌で応えてくる。ベティの唾液は甘い。爽やかな吐息に、イチゴの香りが混ざる。
 舌を絡め合ったまま、ベティは身をよじり始めた。
 しなやかな裸身が、ヌルヌルの泡まみれになりながら、キリカの体に擦りつけられる。
 胸と胸。ペニスとペニス。お互いの太ももが相手の太ももを挟んで、密着した肌の間を石鹸水がしたたり落ちていく。

「キリカ。初めての一緒のお風呂、忘れられなくなりそうネ……」
「ああ。どんなモノよりも、これが何よりの――」

 キリカはベティの体を軽々と抱えると、浴室のタイルの上に寝かせた。
 石を思わせる表面の、清潔なタイルの上に、ベティの若々しい肉体が横たわった。
 たっぷりと湯気を浴びた肌は、半透明かと錯覚してしまうほどに、白くみずみずしい。頭よりも大きな乳房は、寝そべっても美しいドーム型を保って、ベティのわずかな呼吸に合わせてぷるんぷるんと揺れている。

 ベティの乳首についた石鹸を軽く拭って、桃色の先端を口に含んだ。
「Ahっ…あ、ひうううっ……」
 それだけで、敏感なベティは声をあげた。キリカの舌の上で、乳首がぷっくりと励起していく。
 そのまま、右手でベティの胸を揉み始めた。根本から、舌で刺激する乳首の近くまで。たっぷりと、やわやわと、石鹸のヌルみを借りながら、白桃をもみほぐしていく。
「いっ、はああっ、キリカっ、NO……おっぱい、らめぇっ……」
「胸だけで、そんなに心地よいのか? こんな有様では、服に擦れても感じてしまいそうではないか……」
 口をはなしたキリカは、ちろちろと舌で乳頭を刺激しつつ、ちょっと意地悪な言葉をかけた。
「No、ち、ちがっ……キリカ……だからぁ……」
「だから……?」
 キリカは左手も参戦させ、指先で巧みに、ベティの乳首を弄び始めた。
 腕も使って乳房全体を揉みつつ、人差し指と中指で、愛らしい突起を責める。
「お、おおohっ、キ、キリカっ、ひゃああっ……!」
 青い瞳を潤ませて、腰をのけぞらせながら、ベティが悶えた。
――このまま、気を遣らせてしまいたい。
 キリカはベティと唇を重ね、胸への責めはそのままに、体全体をベティの上で前後させた。
 鍛え抜かれたくノ一の肉体が、きめ細やかな泡と共に擦り付けられる。
 キリカの美獣のような腹筋と、ベティの柔らかく割れた腹筋との間で、二人のペニスが絡み、しごかれ、洗われていく。

「――っ、mmmっ!!!!」
 唇を塞がれたまま、ベティの喉が震えた。
 キリカの腕の中で、純白の裸身が弓なりにのけぞる。硬い腹筋にこれ以上ないほどペニスを押しつけて、ベティの腰がガクガクと痙攣する。

「………ん"っ……ぅぅっ……」
 熱い。
 暖かな浴室の中でもなお熱い、ベティの濃厚な精液が、キリカの胸元にヘソに下腹部に、飛び散って広がっていく。
 射精しながら、軽く女性の絶頂も迎えているらしい。
 快感を表すかのようにギュっと伸ばされた、ベティの足の指。それに自分の足の指を絡めて、ベティの体の中を走り抜ける震動を感じる。

 強くベティを抱きしめたまま、キリカは数十秒間、恋人の感触を楽しんでいた。


***


「んぅ……一人だけ射精させちゃうなんて、ずるいデス。ん……ちゅ……」
 キリカの唇を、舌をキスでついばみながら、喋るベティ。
「許せ。そなたが……あまりに、愛らしくて……」
 それに応えながら、キリカはベティを背中から抱き、胸からお腹、太ももまでの滑らかな感触を両手で味わっている。

 お互い絶倫の両性具有者同士、もちろんベティの射精だけでは終わるはずがない。
 二人の少女の濃密なペッティングは、まだ続いている。

「き……キリカ……」
 ベティの細い指が、キリカのペニスに添えられた。
 それだけで、切なくむずがゆい射精感が、キリカを貫く。
 今日は一日中大騒ぎで、朝に一回自慰して以来、射精していない。
 キリカの胎内には濃厚な子種が蓄積されていて、解放を待っている。精虫の一匹一匹が暴れて、体の内部をかきむしっている――そんな錯覚に捕らわれてしまうほどに、射精が恋しい。

「はあっ……はぁ、はぁっ、ベ、ベティっ……!」
 名前を呼ぶのが精一杯で、言葉が出ない。
 ベティも挿入を待ちきれないらしく、荒い息の合間に、母国語で何かつぶやいている。ただその指先だけが、キリカにねだるように、ペニスをしごく速度を増していく。

 キリカがそっと背中に手を当てると、ベティは自然に四つん這いの姿勢を取り、尻を上げた。

 一度絶頂を迎えているベティの体は、ほんのりと桜色に染まって、白人種の肌との美しいグラデーションをなしている。キリカの両手の間で息づいているお尻は、まるで異世界に実るたわわな果実のよう。絶妙な楕円形のラインを描き、重力に負けることを知らぬ尻肉が、ぴったりと合わさっている。
 それをどれだけ愛撫しても、飽きなかろう、と思えども――
 今のキリカはあまりに射精を欲していて、もう責める余裕もない。

「――参る」

 小さくつぶやくと、反り返るペニスを指先で押さえつけ、ベティのふくよかな陰唇に当てた。
 無毛で、ぷっくりと丸みを帯びた、これまた果実のような性器。
 それを無理矢理押し拡げながら、一気に、貫く。

「ああああaaaahhhhhhっ………!!!」
 かすかに堪えた、けれど甘いベティの叫びが、細く長く浴室に反響した。

「くうううううううううっ!!!」
 ペニスの大部分をベティの内部に埋め込んだキリカも、涙を溢れさせながら呻いた。
 ベティの膣粘膜の信じられないような熱さが、重苦しく勃起したペニスの中に染み通っていく。
 動かしてもいないのに、微細な襞の動きが、キリカを攻め立てる。敏感な亀頭の裏側に、子宮口の吸い付くような感触が当たる。

「おおおっ、そ、そなたはっ……何という……名器かっ……。 な、何度交わっても、これが、天性のものとは……し、信じられぬっ……
 豊かな尻に指を突き立てて、キリカは声を搾りだした。

 キリカはくノ一だ。淫術を身につけたくノ一達の魔性の名器に、幾度も男根を突き立てたことがある。
 厳しい修行を通じて、フタナリ同士の性の戦いの訓練すら積んでいる。

 なのにそれなのに、ベティの中に押し入ると、我を忘れるほどの快楽に溺れてしまう。長い修行で築き上げたものが、あっけなく崩れていくのが分かる。
 それは、ベティが本当にくノ一達を上回る素質を持つのか、それとも――

 ベティが相手だと、キリカの心が解けてしまうのか。

「Kilikaっ……Fuck me plzっ……は、早くっ……」
 切なそうに言いながら、ベティが自ら腰を動かし始めた。
「ひあっ! な、ならぬっ、ベティっ! う、動いっ……動いちゃっ……ぁああああ!!」
 キリカの引き締まった下腹部に、ベティの柔尻が叩きつけられる。
 弾力に満ちた双尻が、淫らに形を変えながら、ゆさゆさと揺れる。
 その動きに合わせ、キリカの繊細な亀頭粘膜が、起伏の激しい膣襞をくぐり抜ける。破裂しそうに血管の浮いた幹を、固く締まった膣口の筋肉がしごき立てる。

「くふっ! うううっ、おおおおおおおおおっ!!」
 キリカは堪らず、自らも腰を使い始めた。
 だが、こうなるともう、どちらが攻めているとも分からない。
 ベティの胎内に吸い込まれていくような快感を味わいながら、夢中で腰を振り立てる。
 自分の顔を、涙や涎が伝っていくのが分かる。けれど、止まらない。

「ベティっ、ベティっ、ベティっ!!!」
 名前を叫んでいた。ベティが応えるのも、かすかに分かる。けれど英語で、もうほとんど理解できない。

「出るっ、出るぞベティっ、私の、私の子種がっ、出るうううううううっ!!!」
「Yessss!! Please, please cum'inside meeeeee!!!!」
 キリカの脳裏が真っ白に染まる。
 ペニスの先端から、背骨まで引き抜かれてしまいそうな快感が走る。

 白い。白い、けれど――

 なぜか、イチゴの香りが。分かる。


 次の瞬間、全身の力が抜ける解放感が、キリカを襲った。
 体が震え、血管が脈打ち、このまま死んでしまうのではないかと思う。
 死んでも悔いは無いと思えるほどの快感を伴って、精液がベティの中に撃ち出されていく。尿道が痛くなるほどに濃いキリカの遺伝子が、ベティの中にぶちまけられていく。

「く…ぉぉぉぉっ………」
 キリカは背中を丸めると、覆い被さるようにベティを抱きしめ、長い射精の快感を味わい始めた。
 ベティも、達している。
 下半身全体が収縮しているかのように、力強い脈動が、キリカのペニスを締め付けている。射精を促している。
 ベティのペニスに手を回せば、それも射精していた。

 ぎゅっと、キリカの手にベティの手が重なる。
 お互い同時にイッていることを確かめ合うように、二人は手と手を合わせ、肌を合わせ、射精し続ける。


 忘れられない、どころか――


 イチゴの匂いを嗅ぐたびに、今夜のコトを思い出してしまいそうだ。


 そんなことを思いながら、キリカは再び、リズミカルな射精の脈動に身を任せた。





***





「で、ですね」
「わうン」

「要は、この日に、バレンタインという坊主が殺されたのだそうです」
「ほう」
「わうン」

「あと、メリケン国では、『バレンタインの虐殺』といって、ギャングが沢山殺されたそうです」
「なんで、殺されたのに、こんな甘いモノを渡すのかのう」
「わうン」

「怨み――ですかね」
「怨みか! 怨敵にちょこれいとぉを送るのか! おお恐ろしい。しかしこれは、茶色くて甘いのう」
「わううン」


『今夜屋敷に入ったら、殺す』とキリカに言われて、野宿する二人と一匹。
 キリカが食べきれない分のチョコレートをむさぼり食っている。

 2月の風は、冷たい。



(おしまい)