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ルキナと吸血王女 第一話 メイド館襲撃 
Rukina and Vampiric Princesses #1 Maids Raiding
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「リサリア、出るっ、せーし出ちゃうよおおっ!!」
 ルカルナの叫びと共に、リサリアの口中に振動が走った。
 熱を帯びたルカルナのペニスが、硬く硬く張りつめた後、炸裂する。
 リサリアの柔らかな喉奥に、精液の鞭がぶち当たった。
 懸命に喉を鳴らし、リサリアは精液を呑み込んでいく。

「はああっ! あうっ、きゃうううんっ……! きょ、今日のもっ……長いよおお!!」
 フカフカしたルカルナの手が、意外に強い力でリサリアの頭を押さえた。
 臭みや苦みのない、ゼリーのような舌触りの精液が、リズミカルに流れ込んでくる。

 近頃、ルカルナの射精時間は、どんどん長くなっている。

 イレーネ先生によると――
 犬獣人として成熟しつつあるルカルナは、「二次射精」するようになるかも知れないらしい。
 犬の「二次射精」。
 最近神殿に連れてこられた、犬人王国の王女姉妹・ファリアとファノを見て、リサリアも「二次射精」の存在を知った。
 ペニスの根本が二倍にも膨れ上がって、一時間以上射精するのだ。
 お尻とお尻で繋がった、いやらしい姿になって。クンクンと子犬のように哀れな声を上げて。

 いつかルカルナのペニスも、怖いほど膨らんで、凄まじい量の射精を始めるのかも知れない。
 そんなことを想像しただけで、リサリアの小さな胸は、かきむしられるような不安と期待に襲われる。
 発情した牡犬になったルカルナは、私とも交尾しようとするのだろうか。
 私はルカルナとお尻で繋がって、まだ卵子も産まないお腹を、精液でいっぱいにされるのだろうか。
 そしてそんな恥ずかしい姿を、ザラ様達に見られてしまうのだろうか……

「ああっ、リサリアっ、リサリア! お、おっぱい、触らせっ、ふにゃうううっ!!」
 射精の快感に声をうわずらせながら、ルカルナは腰を丸めて手を伸ばし、リサリアの胸に触り始めた。
「んっ……んぐっ……んくううっ!」
 ルカルナの成長と時を同じくして、急激に膨らんできた、リサリアの両胸。
 果実のように形良く育った胸は、ヴァイアランスの生命と混沌の加護を受け、母乳まで分泌するようになっている。
「ん! んんっ……」
 ルカルナの指がぷにぷにと胸を揉むたびに、桜色の小さな乳頭から、淫らなミルクが噴き出した。
 まだ妊娠もできないリサリアから出るのは、快楽のためだけのミルクだ。
 母乳が噴き出す度に、胸全体を甘く暖かい快感が満たしていく。
 搾乳されながら精液を飲み干す興奮で、リサリアは女の子の絶頂を小さく迎えてしまった。

「んんんっ! うううう……ひゃう、やだっ! さ、最後が……しつこいよお。なかなか……出きらないのっ!」
 ルカルナはもどかしそうに言いながら、内股になって震えている。
 確かに、もう出きったかと思うと、さらにペニスが脈打って、ジワリと精液を染み出させている。
 ルカルナは上目遣いでリサリアを見ると、わずかに微笑んで、焦らないでと伝えようとした。

 それからルカルナの射精が終わるまで、さらに一分かかった。




「この部屋で、こんなコトするのも……もう、最後だね」
「うん。もう、何もなくなっちゃった」
 全ての家具を運び出してしまった部屋を眺めつつ、リサリアは答えた。

 ここは、リサリアとルカルナが産まれた世界。
 緩やかな闇の時間を刻む国、「旧帝国」。
 その中心にある、かつてのザラ様の邸宅に、リサリア達は来ていた。

 リサリアとルカルナが、乳飲み子の頃から育てられた屋敷。
 メイドとしての教育を受け、ひたすらザラ様への奉仕を学んだ、二人にとっての故郷だ。

「でも、仕方ないよ。ザラ様が偉くなられるのは、良いことだもの」
「それはそうだけどさ。でも、寂しい。ほら、あの庭木は、リサリアと一緒に登って降りられなくなった木」
 ルカルナの指さす先には、小さな頃に遊んだ庭木があった。この国は秋の最中で、今は葉も落ちている。

 「旧帝国」は、ザラ様の産まれた国であり、重要な拠点だった。
 だが、ザラ様はより高い階級に登られて、この国を統治する時間がなくなってしまったのだ。
 跡を下級のヴァイアランス戦士が引き受け、ザラ様とその配下はこの世界を去る。
 リサリアとルカルナ、それにメイド達は、その最後の片づけのために、この「メイド館」に来たのである。
 片づけはほとんど終わり、必要な家具は運び出された。
 年長のメイド達――サワナ・サツキ・静音・カナディア――は、屋敷に住んでいたメイド達と一緒に、ロビーで休憩中。
 二人だけが、思い出の部屋に別れを告げるために時間をもらって……
 そのうちルカルナが発情してしまい、あんなコトになっていたわけだ。
 口の中には、まだ精液の香りが残っている。

「そろそろ戻ろっか! サワナさんの入れた紅茶、私も飲みたいな。あ、リサリアも口直しに、ね!」
「う、うん。あ、別に、口直しが欲しいって意味じゃないよ……私も……サワナさんの、その、紅茶」
 後半しどろもどろになってしまうが、いつものやり取りだ。
「分かってるって! よおし、戻ろぉ〜、戻ろぉ、この部屋にサヨナラ言って〜!」
 リサリアの手を引いて、元気に声を張り上げるルカルナ。カラ元気でも、心強い。
「さよなら。私たちの、大事な部屋……」
 リサリアも部屋に背を向け、二人で扉を開けようとした、その時――

「リサリア、ルカルナ〜?」
 部屋に入ってきたのは、この屋敷詰めのメイドの一人・リリィナだった。

 美しい黒髪を三つ編みにして、大きな頭巾をかぶった姿のリリィナ。
 メイドとしては珍しくズボンを履いているのは、故郷の民族衣装をアレンジした服のためだ。
 リリィナはリサリア達の幼なじみで、武官・ローザ様お付きのメイドをしていた。リサリア達と違い、ずっとこのメイド館で勤めていたため、神殿に来れることをとても喜んでいるらしい。

「ずいぶん遅いから、と思って来たんだけど。この匂いは……そういうことか〜」
「えへへ、つい……」
 悪戯っぽく笑うリリィナに、ルカルナが照れ笑いで答えた。リサリアは言うべきコトが見つからず、真っ赤になってうつむいてしまう。
「ずるいなあ、どうせならボクも混ぜてくれれば良かったのに」
「え〜、ローザ様と再会するから、いっぱい溜めとくんだ、って言ってたじゃない! 調子いいなァ」
 ルカルナにぽむっと小突かれて、リリィナが笑う。

 釣られてリサリアも笑いかけた、その時。


 突如、深く遠く、不吉な角笛の音が響いた。

 メイド館を囲む森の木々を震わせて、重苦しい低音が、リサリアの兎耳に押し入ってくる。その音は耳の中でジワリと蠢き、死者が囁くような反響を何重にも残して、消えていった。

 静寂。

 間を置いて、森は鳥たちが叫び、飛び立つ狂音に包まれた。

 リサリアは二人の顔を見た。
 二人とも、角笛の音に満ちた不吉な予兆を感じ取ってか、青ざめている。
 ルカルナが強くうなずき、リリィナがそれに続いた。
 一階のホールに、戻らなくては。
 
 三人は、無言で駆け出した。


***


「戦の音だ」

 静音は自然に呟いてしまった。

 それを聞いて、メイド達の間に緊張が走った。
 ここはメイド館の一階ホール。
 出発前の最後の一休み、とメイド達が集まり、小さな茶会の準備がされている。
 そこから距離を置き、静音は二階へ続く大きな階段の上に立っていた。

 静音は一寸、考える。
 そして、戦場に生き、軍隊の角笛を聞き慣れていた者は自分だけなのだと、思い当たった。

 静音は忍びだ。
 誰にも感知されず、敵の位置を探り、その命を奪う道具として作られた。
 産まれた世界を離れ、今の主はザラ=ヒルシュ。
 こんな館で引っ越しの手伝いをしているのも、主の命なればこそ、である。

「戦って……どういうこと? ここはザラ様が治めてる土地なんでしょ?」
 メイド達の中から歩み出たのは、木川サツキ。
 素性はよく知らない。静音はあまり、メイド達とも話さない。
 でも、サツキの目は底の方に刃を隠している。
 軍人ではないかも知れないが、平気で人を殺せる目だ。

「さあな。でも、確かにあれは軍隊の角笛だぜ」
 ぶっきらぼうに答えたのは、カナディア。
 静音が会った時には、メイドだった。けれど昔は、違ったらしい。
 彼女も、戦場を知っているのか。
「昔なら、ワクワクする音だったんだがな。今はちょっと……」
 カナディアはそう言って、惜しそうに両腕を撫でた。

「ともかく、状況を確認しましょう。静音さんは、外の様子を。あなた達は、神殿との通信魔法を準備して」
 メイド長のサワナに言われ、静音は無言でうなずいた。

 二階の窓から飛び出し、バルコニーを蹴って、樹上へ。
 一秒とかからない。

 高い針葉樹の先端に立って、静音は森を見渡した。

 そして、息を呑んだ。

 旗が十、二十、いや、百はある。
 静音の視力は、その旗の細部まで見通せる。
 はぎ取った人間の生皮を縫い合わせ、飾り付けられたのは人骨の数々。
 旗の先端には大きなカラスが止まり、全体を蝿の群が飛び交っている。

 旗を持つのは、歩く白骨と、よろめく死体の群だ。
 その間を無秩序に飛び回るのは、食屍鬼達。
 死者の群の所々には、巨大な馬にまたがった騎士達がいた。
 吸血鬼か、塚より目覚めた幽鬼か。兜の闇の中で紅い目が燃えている。

 死者の軍勢は、森の中から平原まで、黒い絨毯のように続いていた。

 アンデッド。呪わしい魔法によって甦った、生ける死人どもだ。
 静音にとっては恐ろしい敵でもないが、館には非力なメイド達がいる。
 かつての静音なら、こんなことは考えなかっただろうが……
 今はなぜか、あのメイド達を死なせたくないと思う。

 守らなければ。

 静音は迷わず、自分の首からアミュレットをはぎ取った。
 ザラによって与えられた「可視の魔力」が消え、静音は再び、誰にも感知されない存在へと戻る。

 リビングファントムが、戦場へ戻ったのだ。


 静音は一瞬でホールへと戻ると、メイド達に現況を告げた。
 姿無き声に戸惑いつつも、メイド達は急ぎ脱出の準備を始めた。
 二階から幼いメイド達三人も戻り、慌てて荷物を持っている。

 次元を越え、迷宮へ戻るための門は、館から五百メートルほど離れた環状列石の中に作られていた。
 急げば、死者の群と出会うことなく、メイド達を脱出させられるはずだ。
 静音はしんがりを勤めればいい。

 シャンデリアの上に立つ静音が、小さく息をついた、その時。


 館の扉が弾け飛び、黒い瘴気がホールに吹き込んだ。

――早すぎる!!!

 静音は愛刀を抜き、飛んだ。
 瘴気の中から現れたのは、二つの美しい影だった。

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関連リンク:ヴァイアランスキャラクター メイドキャラ紹介